元素たちは固定の、ひとつだけを愛する、ということがまずできない。
ひとつの元素だけに肩入れする、ということができないのだ。
正確にいえば、元素たちに恋愛感情というものが全くない、というわけではない。しかしこの場合、何を恋愛と定義するかによって変化する、という条件がある場合の話である。
憎しみや愛情も、恋愛とは紙一重ともいえ元素たちは様々な感情を他元素に抱く場合がある。これを恋愛と捉えようと思えば捉えることもできる、ということである。
だが、「ひとつになりたい」と思った瞬間、元素は元素ではなくなる。
元素たちは性行為というものを知っている。人間たちが男女というペアでなんの行為をどのようにすれば子孫を残せるという情報を知らないわけではない。元素たちに恋人という概念を理解するのは難しいので「番」という形で理解している。
そのため、元素たちは興味本位で番というものを真似てみたりすることがある。性器を所持している元素が多いため、性行為をできないわけではない。
また、性行為を人間の娯楽だと捉えている元素もいる。元素によって様々ではあるが、つまりは「ひとつになりたい」と思わない限りは、自由であるということでもある。
元素差はあるものの、人間よりは薄いといわれている。
そもそもに好意・恋愛感情や生殖本能というものが薄く、必要も無いので性欲を抱く必要性もない。